実際の収入は学歴だけではなく、業界、職種、企業規模、役割、経験年数など、さまざまな要素によって決まります。
総合職として一括採用を行っている企業では、初任給や昇進の基準が採用区分ごとにあらかじめ制度化されている場合があります。この場合、入社時点でのスタートラインに差が生まれ、その差がある程度の期間続くケースがあると言われています。ただしこれは「学歴が能力の差を表している」という意味ではなく、あくまで採用制度の設計として組み込まれているものだと理解しておくことが大切です。
現場の技術や資格が業務の中心となる仕事では、入社時点の学歴による違いが、経験を積むにつれて見えにくくなっていく傾向があると言われています。資格の有無や実技試験の結果が評価基準になっている仕事、即戦力としての実績が重視される中途採用の多い業界、売上や成約数など数字で成果が可視化されやすい仕事などでは、学歴よりも「今何ができるか」が評価の中心になりやすいと言われています。
高校卒業後、測量会社へ入社したAさん。転職を考えた際「高卒という学歴が不利になるのではないか」という心配もありましたが、実際の選考で評価されたのは学歴ではなく、現場で培った測量技術、図面を読み取る力、工事関係者との調整経験でした。長年積み重ねてきた実務経験は、学歴とは別の評価材料になることがあります。
大学で化学を学び、企業の分析部門で専門知識を深めてきたBさん。給与条件だけを見るのではなく、自分の知識をより活かせる環境を探した結果、専門性を求められる分析関連の仕事へ進み、大学で学んだ知識と実務経験の両方を活かせるようになりました。職種によっては学歴で得た専門知識が、その後の仕事選びで強みになる場合もあります。
専門性を磨くことで評価される人もいれば、現場経験を積み重ねることで強みを発揮する人もいます。自分の経験や能力がどのような仕事で求められるのかを理解することが、収入アップへの第一歩になります。