「同じ職種なのに、あの人の方が給料が良い」——そんな話を聞いたことはないでしょうか。今回は国の統計データをもとに、この「見えない格差」を数字で確認してみます。
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和5年)によると、月給(所定内給与額)は大企業(従業員1,000人以上)34万6,000円、中企業(100〜999人)31万1,400円(大企業の90.0%)、小企業(10〜99人)29万4,000円(大企業の85.0%)。大企業と小企業では月給だけで5万2,000円の差があり、年間では60万円以上になります。これはボーナスを含まない差で、賞与まで含めるとさらに開く傾向があります。
同調査では、全国計の賃金は31万8,300円ですが、これを上回ったのは東京都・神奈川県・愛知県・大阪府・栃木県の5都府県のみ。最も高い東京都は36万8,500円で、全国計より5万円以上高い水準です。逆に言えば、42の道府県は全国平均を下回っているということでもあります。
会社規模の差と地域の差はそれぞれ独立して発生するため、悪い方向に重なると差はさらに広がります。「地方の小企業」と「都心の大企業」を単純に比較すれば、月給で10万円近い差になってもおかしくない計算です。「同じ職種だから条件も同じだろう」という思い込みは危険で、求人を比較する際は会社規模や勤務地域も含めて相場観を持つことが大切です。
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